トヨタが描く、新しい投資機能の姿
「トヨタ・インベンション・パートナーズ」のネーミング・CIプロジェクト
こんにちは、I&COです。このニュースレターでは、日本の社会・企業・人のより良い未来への展望を拓くヒントとなるようなコラムや、I&COの最新情報を隔週でお届けしています。
今回は、トヨタが設立した新たな戦略投資子会社「トヨタ・インベンション・パートナーズ」のネーミングと、コーポレートアイデンティティを開発したプロジェクトをご紹介します。
「共に汗をかき、共に成功する」新しい事業投資会社の誕生
2025年10月、トヨタはモビリティカンパニーへの変革をさらに加速させるため、トヨタの新たな事業投資会社「トヨタ・インベンション・パートナーズ(TIP)」を設立しました。
一般的なベンチャーキャピタルが資金提供を通じて企業価値の向上を図るのに対し、TIPが目指すのは、単なる出資者ではなく「共に汗をかき、共に成功を分かち合う」真のパートナーです。技術や人材、商流など、トヨタが長年培ってきた多様なアセットを提供することで、投資先の企業と共に発明活動を促進し、次世代産業の創出を目指します。
TIPはこうした理念のもと、トヨタとの「掛け算」による長期的な協業体制の構築を目指す新しい形の事業投資会社として構想されました。I&COは、この理念を体現するブランドづくりを支援するパートナーとして、社名の策定とコーポレートアイデンティティの開発に参画しました。
「誰のための会社か」という問いから生まれた社名
ネーミング開発においては、多様なステークホルダーの視点を取り入れながら検討を進めました。具体的で幅広いネーミング案を検討する中で浮かび上がってきたのは、「この会社は誰のために存在するのか」という問いです。
投資する側だけでなく、投資を受ける企業をはじめとしたすべての関係者が、自分たちに関わりのある会社だと誇りを持てる名前にしたい。その思いをネーミングの中核に据えました。
一般的に、VCやCVCの社名には「キャピタル」「ファンド」「ベンチャーズ」といった言葉が多く使われます。それらは、投資する側の立場を鮮明にする役割を果たす言葉でもあります。一方で、私たちが目指したのは、共に価値を創り上げていく姿勢を体現する名前でした。
こうした価値観のもとたどり着いたのが、「インベンション・パートナーズ」という言葉です。インベンションは「発明」を意味し、「次の道を発明しよう」というトヨタのグループビジョンにあるように、トヨタが創業以来大切にしてきたDNAでもあります。また、「パートナーズ(Partners)」という言葉を使うことによって、投資する側・される側の協働という、あるべき姿を表しました。
こうして、「トヨタ・インベンション・パートナーズ」という社名が誕生しました。
理念を象徴するコーポレートアイデンティティ
社名と並びもう一つの柱となったのが、コーポレートアイデンティティの構築です。I&COは、社名を視覚的に表現するVI(ビジュアル・アイデンティティ)と、国内外のステークホルダーに向けたステートメントの開発を手がけました。
ロゴデザインでは、「共に汗をかき、共に成功する」という理念をいかに視覚的に表現するかにこだわりました。完成したロゴは、共有する目的に向かって進む仲間たちの一体感を象徴しています。複数の要素が調和しながら一つの方向へと動くフォルムは、投資先企業と手を取り合い、同じゴールを目指す姿を表現しています。
コーポレートカラーには、信頼と調和を想起させる「TIPブルー」を採用しました。このブルーは、投資先企業との信頼関係、そしてトヨタとの調和という、TIPにとって不可欠な二つの価値を象徴しています。


「新しい投資会社のあり方」を伝える
今回のプロジェクトは、「これからの時代に求められる投資会社のあり方とは何か」という問いから始まりました。単なる資金提供にとどまらず、真のパートナーシップを築く。その理念を、ネーミングとコーポレートアイデンティティを通じて可視化していくプロセスは、デザインが事業や組織の変革において果たせる力を示すものでもありました。
現在、トヨタ・インベンション・パートナーズはこの新たな理念のもと活動を開始しています。従来の投資会社の枠を超え、トヨタならではのアプローチによって、世界のモビリティ産業、さらには社会全体のイノベーションを加速させていくことが期待されています。
この新しい挑戦が、未来の産業と社会を動かす原動力となることを願っています。





