日本のクラフトブランドを世界に
伝統と革新が融合する、老舗酒造の新たな挑戦
こんにちは、I&COです。このニュースレターでは、日本の社会・企業・人のより良い未来への展望を開くヒントとなるようなコラムや、I&COの最新情報を隔週でお届けしています。今回は、60年の時を超えた老舗酒造会社の想いから、新たなブランドの世界観を紡ぎ出したプロジェクトをご紹介します。
引き継ぐ想いと魅力を伝えるストーリー
茨城県水戸市で長年にわたり酒造業を営む明利酒類株式会社。1952年の創業直後から創業者の加藤高藏氏がウイスキー製造に着手しましたが、火災により工場を失い、やむなく断念することになりました。
それから60年の時を経て同社は再出発を決意し、2022年に「高藏蒸留所 TAKAZO DISTILLERY」を設立。I&COは、創業者の想いを受け継ぐその名付けと、新たなウイスキーブランドの創出に携わりました。
コンセプトのもと、強く生まれ変わるブランドの創出
長い歴史の中で受け継がれてきた技術と、現代における革新的な試みが結実したウイスキー。これらをブランドの世界観として表すために意識したのが、次の三つのポイントです。
1. ブランドが内包する価値を構造化する
高藏蒸留所のウイスキー造りでは、蒸留所の「想い」を起点に、「歴史」「技術」「(企業としての)熟成」があり、これらが「商品」に結実しています。
この全体像から引き出した明利酒類の高藏蒸留所のユニークネスは、以下の3つでした。
火災で中断したウイスキー造りを再開した「決意と挑戦」
長い歴史の中で研究開発にこだわってきた「酵母や発酵の技術」
歴史がありながら社外の刺激を積極的に取り入れる「外部との関係性」
I&COは、これらの価値をシンプルに力強く表すブランドコンセプトとして「REBORN」の言葉を掲げ、新たなウイスキーブランドの出発を後押ししました。
2. 言葉の背景にある概念を理解する
ブランドコンセプトを伝えるためには、言葉だけでなくビジュアルが大きな役割を果たします。そこで、ビジュアルを具体化するにあたり、「REBORN」の概念を構成する言葉を探しました。
変換、変化、増殖、拡散、シナジー、協力、触媒作用、合成、結合、進化、発展、代謝、再生、調和、バランス、復活、発酵、醸造、革新、新発想、浄化、精製・・・
これらのキーワードから「REBORN」のイメージをビジュアライズするプロセスを繰り返し、「REBORN」というコンセプトをシンプルかつ力強く伝える具体的なデザインへと落とし込んでいきました。




3. ウイスキーの価値とブランドの価値を連動させる
「REBORN」の言葉には「ここから再出発する」という現在への思いと、日本のクラフトウイスキー界に新たな価値を創造するという未来への決意が込められています。長い時間軸を見据えたブランドの展望は、まさに、ウイスキーが熟成して価値を高めていく様そのものです。
I&COはこの共通項に着目し、再出発の象徴である「REBORN」が、時間とともに商品としての実質的価値を高めていく未来を見据え、余白を生かしたデザインに反映しました。
コンセプトを伝えるボトルデザイン
こうして生まれたのが、REBORNブランドの「高藏 REBORN」と「PURE MALT」シリーズです。
「高藏 REBORN」のボトルには、新たなブランド名を書でデザインすることによって、蒸留所が築いてきた伝統の重みを表現しました。
「PURE MALT」シリーズは、伝統的なウイスキーの要素に現代的な特徴を融合させています。「TAKAZO PURE MALT PLUM WINE CASK FINISH」では、熟成に使用したプラムワイン樽由来のフルーティな風味と味わいを、「TAKAZO PURE MALT MIZUNARA CASK FINISH」では、日本固有のミズナラ樽が醸し出す深い味わいを、それぞれラベルと箱のデザインで表現しています。


I&COは「高藏 REBORN」および「PURE MALT」シリーズのネーミング、ラベルデザイン、そしてブランドストーリーを凝縮したリーフレットまで、一貫した世界観の構築に取り組みました。高藏蒸留所が生み出すウイスキーのように、REBORNブランドがその価値を高めていくことを楽しみにしています。
「I&CO Foresights」は、今回が年内最後の配信となります。次回は、2025年1月8日の配信を予定しています。





