新しい食の選択肢を定義する
「ツクリオ(Tsuklio)」への進化を形にしたブランドプロジェクト
こんにちは、I&COです。このニュースレターでは、ブランドの視点でこれからの経営を考えるヒントとなるようなコラムや、I&COの最新情報を隔週でお届けしています。
今回は、Antway社のサービス「ツクリオ(Tsuklio)」のブランドプロジェクトをご紹介します。
新たなサービスカテゴリの創出
冷蔵・週替わりメニュー・サブスクリプションという形式で料理を届けるサービス「つくりおき.jp」。市場において圧倒的なシェアを誇る一方で、「自炊こそ最良の選択」という固定観念が、サービスの価値をより広く伝えていく際の障壁となっていました。
グローバルに共感される提供価値を、サービスの立ち位置やブランドとして明確に表現するにはどうすればいいか。それは単なるリブランディングにとどまらず、新たなサービスカテゴリそのものを創出するという大きな挑戦でもありました。
2020年のサービス開始から2026年1月の累計3000万食達成まで、「つくりおき.jp」が積み上げてきた提供価値「豊かな食卓を、手間なく叶える」を起点に、I&COはCEOインタビューや経営層・現場層とのワークショップ、顧客データの棚卸し、国内外の先行事例リサーチを経て、ブランドの提供価値を定義しました。
国境を越えて機能するネーミングとVIの設計
手料理は豊かな食卓を彩るが、負担も大きい。宅食サービスや冷凍おかずのサブスクサービスは便利であるものの、心まで満たされるとは限らない。多くの家庭が抱えるこうしたジレンマを前に進める存在としてサービスを位置づけ、今後、業界全体で育てていきたいカテゴリとして「手料理サブスク」を定めるとともに、その価値をブランドコンセプトへと落とし込みました。
サービス名の開発においては、提供価値の体現、持たせる意味の検討、商標調査に加え、USの英語ネイティブスピーカーやシンガポール現地へのヒアリングを重ね、文化や発音の壁を越えてサービス名が機能するかを繰り返し検証しました。こうして生まれたのが、新たなサービス名「ツクリオ(Tsuklio)」です。「手料理を”つくる”」を超えて、「家庭における豊かさや、次なる社会的なあり方を”つくる”」という意味を込めています。コンセプトの決定までには、経営層、社員、既存ユーザー、グローバルの潜在顧客に共感を得られるかの検証も重ねました。
ビジュアルアイデンティティの面では、ロゴ・カラーパレット・フォント・パッケージデザインから日英対応のブランドガイドライン・タグライン・Webサイト監修までを一貫して担いました。ロゴのシンボルは「ツ」とスマイルを組み合わせたもので、手料理を通じて心が豊かになる時間を届けたいという「ツクリオ(Tsuklio)」の思想を象徴しています。
こうして生まれた新たなブランド「ツクリオ(Tsuklio)」は、2026年3月に日本でリリースされ、すでにTsuklio名義でサービスを展開しているシンガポールとともに、様々な家庭の元へと届けられています。
単に既存のブランドを刷新するのではなく、「手料理サブスク」という新しいカテゴリそのものを定義し、その名を体現するブランドを構築した本プロジェクト。カテゴリ名・サービス名・ビジュアルアイデンティティが一体となって機能することで、国内外のユーザーに新たな価値軸を提示するブランドが誕生しました。
その起点となったのは、「名前や見た目をどう変えるか」ではなく、「自分たちのサービスが社会にどのような価値を提供するか」という問いでした。既存の強みを言語化し、それを国境や文化を越えて伝わる形へと育てていくプロセスが、グローバル展開を見据えるブランドにとって一つの示唆となれば幸いです。








