こんにちは、I&COです。このニュースレターでは、日本の社会・企業・人のより良い未来への展望を拓くヒントとなるようなコラムや、I&COの最新情報を隔週でお届けしています。
今回は、NECグループの独立シンクタンク「国際社会経済研究所(IISE)」のビジュアルシステム構築プロジェクトをご紹介します。
見えないプロセスをどう伝えるか
IISEは、未来を構想し、共創を通じて社会実装へとつなげる「ソートリーダーシップ活動」を牽引する組織です。しかし、そのプロセスは可視化しにくく、活動の意義や価値が外部から見えにくいという構造的な課題がありました。
その結果、NECの社員一人ひとりにとっても、ソートリーダーシップ活動やIISEを身近に感じにくい状況が生まれていました。社会をより良くしていく強い意志を視覚化し、かつ「IISEの活動だ」と想起できる象徴が求められていたのです。
この活動をNECグループのビジネスカルチャーとして根付かせるためには、IISEの思想とプロセスを直感的に理解できる形への変換が不可欠でした。社内外のステークホルダーが共通の認識を持って活動に参画するための視覚的基盤を新たに構築すること―― それが、プロジェクトの出発点となりました。
「記憶に残る象徴性」と「理解できる説明性」の両立
I&COがまず取り組んだのは、複雑に見えていたIISEの活動プロセスを整理し、それぞれのステップを名称とともに定義することでした。「未来の構想」「共感と共創」「社会へ実装」という三段階のフレームを設けることで、活動の流れを誰もが把握できる構造に落とし込んでいます。
同時に、IISEがこれまで大切にしてきた「星空」のモチーフを核に据え、活動全体を一つのデザイン体系として再構築しました。ソートリーダーを「一番星」、ソート(未来の構想)を「星座」、共に歩む仲間等の必要な要素を「一つひとつの星」に見立て、それぞれの関係性が伝わるストーリーを設計。さらに、それらを包み込む「括弧(ブラケット)」を加えることで、構想を現実に着地させる技術力と、社会実装への強い意志を象徴しています。
また、この仕組みは「使いやすさ」を重視して設計されています。IISEの多様な活動領域に対応するため、背景画像を自由に入れ替えられるルールを策定し、どのような領域においても一貫性を保ちながらビジュアルを制作できる動的なシステムを構築しました。静止画から動きのあるロゴまで、共通のロジックで機能するこの仕組みは、あらゆる領域でIISEがソートリーダーシップ活動を進めるための共通言語となっています。
11万人に届いたビジュアル、87.9%の満足度が示すもの
本プロジェクトのビジュアルシステムはソートリーダーシップ活動の説明に活用され、110,000名の社員へと届いています。また、ソートリーダーシップ活動のオンボーディング研修における満足度は87.9%を記録しました。
これらの数字が示しているのは、単なるデザインの刷新にとどまらない変化です。「見えにくい」とされていた活動が組織内で共通の言語として機能し始めたこと、そして新たにNECに加わった人々がIISEの活動を自分事として理解する入口が整ったこと――その二点において、ビジュアルシステムは確かな役割を果たしています。
社会課題の解決に向けた取り組みや、長期的な価値創造を目指す活動は、その複雑さゆえに、社内外のステークホルダーに届きにくいことがあります。今回のIISEのプロジェクトは、思想やプロセスを視覚言語に翻訳することが、組織文化の醸成や活動への参画を促す力を持つことを示しています。






